2. JKのパンツ

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「まあいいわ。突然入れ替わって動揺してるみたいだし。童貞なのはこの見た目を見ても分かることではあるし、否定しないところをみると、図星だったようね。でも、神楽君が童貞かどうかなんて、全く関係ないの。神楽君は、今は、私、茅ヶ崎雪菜の体に入っているわけだし。むしろ神楽君が童貞だということを、真剣に悩み考え、その状況を打破するように、考えていかないといけないのは、入れ替わっている私の役目だと思うの。でも、私が神楽君になったからには、明日から急に彼女が十五人できる可能性だってあるということなのよ」 「童貞童貞童貞うるさい! それに、恋人が十五人出来るとか出来ないとか、そんなことは、どうでもよくて、なんで俺達は入れ替わってるのか、説明して欲しいんだが」 「そうね。説明は簡単。神楽君でも分かるように説明すると、私、交通事故に合って以来、何かふとしたきっかけで、誰かと入れ替わっちゃうみたいなの。でもね、心配しなくても大丈夫よ。これまでの経験からすると、自然と元に戻ってしまうのだから」  それなら良かったぁ〜。一安心だ。 「で、どうやったら戻れるんだよ?」 「それが分かれば、苦労はしないのだけど、今のところ手がかりはないの」 「手がかりなしって……」  無責任だろ。  校門前まで来ると茅ヶ崎は、ピタリと固まった。  なんだよ? なんかあんのか? 「入れ替わったばかりで、申し訳ないのだけれど、ひとつお願いがあるの」  顔色を変えて、急に頭を下げられた。  内容にもよるが……。取りあえず、話だけは聞こう。 「これからここで、栗山君と少しだけ会うことになっているの。栗山君、すぐに用事があるらしくて、ちょっとだけしか時間がないそうよ。私としては少しの時間でも、栗山君と会うのは、気が進まないものだけど、約束だから仕方ないの」  うん? 複雑な説明でピンとこないのだが……。 「栗山って隣クラスの栗山翔太のことだろ」 「知り合い? だったかしら?」 「いや、多分俺が一方的に知ってるだけだ」 「そう。私ちょっとだけ関係があって。嬉しくてって訳でもないのだけど、付き合ってて。私からは、別れて欲しいとお願いしているのだけれども、彼強引で別れてくれないのよ……。それで困っているところなの」 「俺にどうしろって言うんだ?」
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