120人が本棚に入れています
本棚に追加
/556ページ
3. JKのファーストキス
この状況において、意味など理解している暇はなさそうだ。どうにかして、一人で切り抜けるしかない。
――あぁぁあもう!!
叫びたい気分だ。
面倒くさいが、入れ替わってしまっているのだから、仕方ない。
「雪菜、次いつデートしょうか?」
そう言いながら、栗山が俺の髪に触れようとした。俺の髪では、実際はないわけだが、入れ替わっている俺からすると不思議なことに、この体はもう俺のものでしかない。
反射的に、栗山の手を払うと、舌打ちしてやった。
「触らないでよ!」
自然と女子高生っぽい喋りかたになった。
我ながら上出来。
「なあ雪菜、俺達付き合ってるんだから、毎回デートの誘いを断るなよ! 映画でも見に行こうぜ? それかさ家に遊びにこいよ」
今度は腰に腕を伸ばされて、ぐいっと体を引き寄せられた。
分厚い体に、包み込まれて気持ち悪い。
おえぇ〜。
止めてくれ!
茅ヶ崎自身も望まない展開のようで、歯を食いしばり、拳を握りしめている。何かを我慢しているように見える。
最初のコメントを投稿しよう!