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「あ、もしかしてコレ、じゃないですか?」
八木が喧嘩した2人のことを思い出していると、ひらっと後輩が八木に2つの手紙を見せた。
それはまさしく真っ白と真っ黒の手紙。
八木はその手紙があの2人が書いたものだとすぐに分かった。
「あぁ、それだ。うん、一応やりとりはしそうだな」
八木は少し安心した。
「ふーん、どれどれ…」
八木は後輩の行動を見てすぐさま止めなければと思った。
「おいっ!馬鹿!何やってんだ」
しかし、遅かった。
後輩は2人の手紙の封を開けたのだ。
「んー、なんですか、これ」
後輩は、2人の手紙を興味本位で開けたのにその反応はなんだ、と八木は思った。
「ほら、先輩も」
後輩は八木に2人の手紙を差し出した。
八木はおそるおそるその手紙を手に取り、それを読む。
確かに、変だった。
八木が書いた手紙は、このような内容を記すような事は書いていないはずだった。
しかし、この2人の手紙には、全く同じ言葉が添えられていた。
「意外と似たもの同士なんすかね?」
後輩が言った。
確かに、そうなのかもしれないなと八木は思った。
しかし、これとそれとは話が違う。
「あとで、きっちりとお仕置きな」
と、顔は笑顔だが、その裏は笑ってない表情を浮かべ後輩へ八木は言った。
「そ、そんなぁ…」
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