ファンタジー × 恋愛[第一作]

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そう悩んでいると、玄関の方からことん、と聞き慣れた音がした。 「手紙か…」 僕はベッドの上で、うずくまったまま、そう呟いた。 これが彼女からの手紙だったら良いのに、と思ったが、その思いはすぐに消えた。 なぜなら彼女は手紙が嫌いだからだ。 なぜ嫌いなのかは聞いたことがないが、彼女の事だから、直接話すほうがいい、なんて言うのだろう。 まさに彼女らしい。と思い、ふっと笑みをこぼすも、すぐさま溜め息を今にもつきそうな顔に戻る。 「とりあえず、手紙をとろう」 大事な手紙かもしれない。そう思いながら玄関前へ向かった。 そして、その手紙を手に取る。 手紙は、僕の白い部屋には全く似合うことの封筒だった。 「黒い…手紙」 それは彼女を連想するには簡単なものだった。
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