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玄関先で美紀ちゃんと男の人の話し声が聞こえてくる
訪ねてきたひとは、美紀ちゃんの新しい職場のことでやってきたらしい
元々は眞ちゃんの学生時代の後輩で、美紀ちゃんの新しい職場の方だとか
眞ちゃんの知り合いがいるなら安心じゃない
なんて変な安心感を持った自分を
これじゃまるで親戚じゃないよ、わたしってば
そして、それなら腰を落ち着かせて話した方がいいんじゃないかとわたしに遠慮せず玄関先から中へ入ってもらうよう眞ちゃんに伝えたら
ふたりを呼びに行き
そして少し恐縮した彼が入ってきた
「なんか、スミマセン」
と腰を折り曲げながら
眞ちゃんが
「お前来るとき前もって連絡…」
ってまたさっきと同じことを言いながらポカっと彼の頭を叩く
すると
「わっ、スンマセンって」
お客さんだなんて思わなかったんす
と言いながら、目線をこちらへ向け、そしてペコリと頭を下げた
「あ、いいんです、いいんです
あ、そだ、コレ、よかったらどうですか?」
あまりに恐縮する彼を和らげたくて、手土産にしたケーキを掌でさした
白ワインと美紀ちゃんの手料理をいただいたから結構お腹は満足していたら、こんな形で進めるのは失礼かとも思ったけど本当によかったら、という意味で言ってみる
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