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私の名前は坂井美桜。
四月四日の桜が美しく咲いた日に産まれたそうだ。
スカートの裾は校則通り、膝にぴったり乗せている。
小柄で無口な私はきっと周りからは存在感ゼロ。
クラスの男子が私の事を地味子って呼んでいるのをこの前聞いた。
でも私は傷付きもしない。
むしろうんうんと同調して頷いてしまったよ。
人と話す事が苦手なのは、他人の目を見たくなくて瞳を隠すように伸ばしている前髪を見ていただければ分かるだろう。
胸まで長く伸ばしている髪も完璧なる防護壁。
目立つ事も苦手な私は教室の隅が好き。
四月の初めての席替えで窓側一番後ろの席になった。
心の中で思わずガッツポーズ。
四階の教室はとても眺めが良くてお気に入り。
そこから時が流れていく様子を眺めるのが好き。
そんな明らかに地味子な私に突然転機が訪れる。
「あ、でもこの学校に俺を知ってない人なんていないよね」
初対面なのに、図々しい人。
私とはまるで正反対の彼。
「俺と付き合わない?」
始まりは、彼のそんな一言。
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