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「杏里先輩、またスカウトされたらしいよ!そのうち芸能界入りしちゃうかもって噂だよ!」 振り返った亜季ちゃんは視界から杏里先輩が消えたというのに未だ興奮している。 「へぇ~」 私は机に頬杖を付きながら適当に返す。 「美桜は今日も無関心!」 確かに興味は無いが、亜季ちゃんを無視してはいけないと返事をしたのに、何故か怒られる私。 理不尽だ。 「フランス人のハーフってだけでも格好良いじゃん!杏里って名前も女の子みたいで可愛いし、見た目は異次元レベルで格好良いし!リアル王子様!この高校に入って良かったぁ!」 そんな無関心な私に無駄な力説を再開する亜季ちゃん。 杏里先輩はお母さんがフランス人らしい。 アンリって名前は外国では男の人で結構いるもんね。 きっとお母さんから取り入れられた名前なのだろう。 そしてそのお母さんも美人なんだろうな。 杏里先輩は背も高くて、脚は身体の半分以上ありそうな位長いし、大きい身体のわりに小さめな顔は外国人っぽい顔をしているし、茶色のフワフワそうな髪は地毛らしいし。 確かに絵本の中の王子様っぽい。 「じゃあ告白して来れば?」 「あっさり言うね!でもそんな勇気無いっていうか、望みも無い!」 「言ってみないと分かんないよ?」 「だって見てみてよ!私達、地味子じゃん!」 両手を広げて胸を張り、堂々と言い張った亜季ちゃん。
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