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13.真実
「はは、全部聞かせてやるよ。」
父親の話によると、母親は木霊を捨てたくて捨てたわけじゃないらしい。
産まれたばかりの時に、木霊は意地悪な魔女に片眼を呪われた。
しかし、その時は父親もまだ優しく、治す方法を探したりと、協力してくれていたという。
だが、五歳の誕生日の日、父親は知ってしまった。
――呪われた子を研究者に引き渡せば、金が手に入る。
それを知った父親は、その日から豹変した。
母親である小雪が木霊から目を離せば、すぐに研究所に連れていこうとするようになったのだ。
小雪は木霊を守る為、人間界に木霊を捨てることを決意した。
だが、金のことしか考えていなかった父親は、小雪を牢獄に閉じ込めて、人間界に降り立ったと。
「お母さんはっ、大丈夫なの……?」
「どうだろうな、人間だからなー。七日も食わなきゃ死ぬか?」
「お母さんをっ、お母さんを返せ!」
「お前が研究所に大人しく行くならいいぜ?」
研究所に引き渡されれば、母親とは二度と会えないかもしれない。
母親が生きているかどうかも分からない。
それでも、母親を助けること、それしか木霊の頭にはなかった。
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