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6.片眼の秘密②
「ね、教えて!」
「嫌だっ……。」
「お願い!」
そんな押し問答を続けること数十分。
ついに木霊が折れた。
「……これは。」
「これは?」
「僕が産まれた時に、魔女に掛けられた、隻眼の呪い。」
「せき、がん?」
木霊は全てを諦めたのか、怯えていた姿とは別人のように話し出した。
「片眼の視力が失われること。」
「何で、そんなこと……。」
「詳しくは、知らない。でも、ただ視力が奪われただけじゃないってことは分かる。」
若菜は話の半分は理解できていなかったが、とにかく「助けたい」と思っていた。
「それってさ、私に、何とかできる……?」
木霊は数秒固まった後、溜め息を吐きながら頭を抱えた。
「大魔術師に勝てる力でもあるの……?」
「んー……ない!」
「はあ……。」
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