真尋女装する

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真尋女装する

 銀杏の黄色い葉っぱが降る中。  僕は駅前の時計の前で腕を組み、人を待っている。  長いスカートをはいて、胸にリボンのついたブラウスを着て。  僕は別に自分のことを僕と呼ぶ女の子でない。  別に女装趣味があるわけでもない。  これには深い、風呂ぐらい深い理由(わけ)があった。  深いようで浅い理由は、一時間ほど前にさかのぼる。
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