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「パイロットセンス使わないの?」
高速道路をハイペースで飛ばす理紗に、雄二が問い掛けた。
「えっ? パイロットセンスって?」
「豊国自動車のレベル2自動運転技術のことだよ。先行車に追従しながらアクセルとブレーキ、そしてハンドルを自動制御してくれる機能」
「私、プライム初めてだから。 どうやって作動させるの?」
「まずは、ハンドル右側の青いボタンを押して」
「これ?」
理紗が青いボタンを押すと、メータースクリーンに自分の車と左右の車線を模擬した表示が現れ、『PILOT READY』と表示される。
「それで、青いボタン横のSETと書いたボタンを押して」
理紗がそのボタンを押すと『ポン』という音が鳴って110キロと表示される。
「これで現速度を上限にACC、アダプティブクルーズコントロールが始まった」
直ぐにもう一度『ポン』と言う音がして、メーター内の車線表示とハンドルの絵がグリーンとなる。
「これでLKCレーンキープコントロールが始まった。まずはアクセルから足を離してみて」
理紗がアクセルから足を離しても、速度が110キロに維持されている。少し速度の遅い先行車に追い付いて来た。
「自動で車間を制御するから、ブレーキ踏むのを我慢して」
「えっ? ちょっと怖いんだけど」
車は先行車に相対速度を合わせる様に自動で減速していく。そして先行車が車線変更して追い越し車線が空くと、自動で加速して再び110キロに速度を戻した。
「凄い、前に走っている車の速度や位置を見て自動制御するんだ」
そう言う理紗の言葉に頷きながら雄二は次の指示を出す
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