第一章 ~物語の始まり~

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第一章 ~物語の始まり~

この地球では、24時間、何処でも日々研究が行われている。それも、全く内容の違う研究がいくつも同時に。 そして、そんな世の中だとしても、成功にたどり着けていない研究もある。たとえ、ずっと前から続けていても。 だが、そんな研究が遂に成功までたどり着いた時の達成感は素晴らしいものだ。研究者は常にそれを求め続ける。 それだけではない。世の研究者は、実験が失敗しても何故失敗したのかを解明し、次に繋げている。 例えば、iPS細胞の研究に成功した山中教授もその思想で研究していた。その思想があったからこそ、医療技術は発達し続けていると言っても過言ではないわけだ。 実は、こんな遠回しに話しているのは色々と訳がある。なんと、メキシコが今まで解明されていなかった『オルメカ文字』のが一部解読されたのだ。 オルメカは、古代メキシコに存在した文明だ。オルメカ文字は、1999年に発見された文字であり、その発見された文字の種類は62種。どちらかというと絵のような見た目であり、トウモロコシや虫のような文字もあった。 今回は、文字の解読を成功させた方法はメキシコが明かしていないが、他国にも解読されたという事実は明かされた。そして、メキシコはその文字を一部解読したことにより、あるものを発見したことを明かした。 そのあるものとは、驚くべきことに『未来を見通す力を持つ道具』であった。 その道具は、オルメカ文明が関わったとされる古代遺跡の場所を文字の解読によって導きだし、その遺跡内で発見されたらしい。どうやら、その道具と共に置いてあった石板に、オルメカ文字で「これは、未来を見通す力を持つ道具だ」と書かれていたらしい。 今までも、未来を見ることに関する実験はいくつか行われてきた。その成果として、睡眠中の人の脳の活動を計測し、見ている夢の内容を解読することに成功している。 その結果から、予知夢による未来予測は可能になるという考えが出されていたのだ。 だが、今回はそれとは違う。メキシコは、その未来を見通す道具を、「今までの科学技術では理解することが出来ない」と発言し、その道具のレプリカを各国に送り付けた。勿論それは、この国、日本にも届けられたのである。 何故レプリカを各国に配布したのか。それは、レプリカを見た研究者の誰しもが理解できた。 「複雑過ぎる……この造りを理解するには、各国の力を借りても300年とかかかりそうだ……」 そう、メキシコの言った通りだった。今の科学技術では理解するまでほど遠い。いや、これはどちらかと言うと、科学技術というより、『神の力』と言った方が良いか……。 とりあえず、仕組みが分からないせいで未来を見る方法が分からないのだ。特に、レプリカにスイッチなどがあるわけでもない。 「そりゃ、救援を求めるよな」というレベルの代物なのだ。 文字を解読すればいいのではないか、とも思うが、どうやらこれ以上の解読は難しいらしい。自分たち力で、仕組みを理解する方が手っ取り早いのだ。 とりあえず、各国が道具の仕組みについて調査を行っている。研究員が金を自腹で出して調査しているところもあれば、国体制で税金を使って調査している国もある。 そんな中、日本で研究を進める、新たに作られた東京でただ一つの未来予測研究所である『調布市立未来予測研究所』では、調査がすでに始まっていた。 そして、この物語はその研究所に配属された研究員、江島隼人が未来の予測を可能にするまでを描いた物語である。
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