2話 謎の状況

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2話 謎の状況

暗闇で立ち尽くす、たった一つの影。 隼人は、謎の空間に取り残されていた。 「熱くない……声も出る……ここは一体?」 隼人はここが何処だかイマイチ把握することができない。その為、ここが何処だか予想を立てる。 まず予想一つ目だ。それは、ここがあの世であるということ。あの状況なら死んでいる方が普通だから、これは出てくるのが普通だ。 二つ目は、ここが生と死の狭間であるということ。まだ実際には死んでいないが、治るとは言い切れない状況という説だ。 三つ目は、治療を受け終わり、息を返すことは出来たが、一生寝たきりの状態。もしくは、視覚や聴覚が途切れているという状態だ。 まあ、一つ目の可能性がぶっちゃけ言うと高い。というか、隼人にとってはそれがいい。 まず、二つ目はあり得ないだろう。何故なら、治療の為に麻酔を射っているなら、きっと意識は戻らない。意識が戻るのは、普通は治った後の筈だ。 そのため、ぶっちゃけ三つ目は嫌だから一つ目がいいというのが隼人の考えである。 (ま、俺が夢見る少年なら、四つ目も候補に入れるだろうが……) 隼人はボソッと何かを呟き、一応暗闇を歩いて行く。隼人は、じっとしていられないタイプなのだ。 テンションを上げて食い過ぎた時点で、それは誰しもが分かっていたことかもしれないが…… それにしても、この世は理不尽なものだ。嬉しい報せが来たと思ったら、直ぐ死んだ。 晴天でラッキーなんて思ったら、直ぐこれだ。人生とは辛い。 人は元々、協力しても争いが生まれる醜い生物だった。協力の先には、常に同じ敵が視線に入っている。同じ敵がいるから、協力し合える。 そのうえ、人と協力するのも人であり、敵対するのもまた人だ。そして、敵対しなくてもこれだ。 だけど、今の考えの全ては変えられなくても、一部は変えられる。未来が見られれば。 「どうか、俺のような犠牲者が出ない世界になりますようにーー」 隼人は心からそう願った。決して死んでも、その心構えを変えることはないだろう。 そんな隼人に、やっと光が見えた。暗闇の中で、たった一つ輝く光が。 「よし!光が見えた!」 そうして、隼人は走り出す。そして、光を目前にしたところで、光が更に強く発光し、隼人はその光に完全に包まれる。 「うわっ!目がァ!目がやられたァ!」 隼人は目がやられたと言い出す。そして、隼人は今まで見たことのない景色を目にするのであった。 「こ、これはまさに……」 その景色は、あえて出さなかった四つ目の候補。 広がる草原。広がる青空。これはまさにーー 「異世界!?」 そう、隼人が見た世界は、いわゆる『異世界』そのものであった。
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