第2の人生

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隼人が案内して貰った道はなだらかで、歩きやすい道だった。全く変な動物も出てこない。 でも、何故だろうか。人通りが少ない気がする。というか、隼人以外は誰もも通っていない。 「……なんか、罠でもあるんじゃねぇだろうな?」 隼人は不安ではあったが、そのまま進むしかなく、ゆっくりと道に沿って歩いていった。 そして、結局普通に街に着いた。結構前から見えていた大きな街だ。日本のビル程高い壁に囲まれ、その先には大きな一軒家がいくつも立ち並んでいる。 どうやら門番もいるようだ。街の裏口であるため、少しだけしかいないが、正門はもっといるそうだ。ここまで厳重な警戒をするということは、街も変な動物を危険視してるに違いない。 隼人は、門番に話しかけ、街に初めてきたことを伝えて中に入っていった。 「人間にはそこまで警戒はしないか……やはり、危険視してるのはあの変な動物だな。魔物って言えばいいんだろうか。ノンフィクションの幅ってすげーな」 隼人はそんなに驚いていない。ノンフィクションはフィクションに成り得ると言って、異世界とかを普通に信じていたからだろう。 異世界ものを読む人も、異世界を信じてはいないだろうが、きっと頭がおかしいんだろう。 それにしても、ここでは何をすればいいんだろうか。明らかに皆洋風な服装してるし、服を買うのが優先されるのだろうか。ジャージだと異様な目で見られるし。 でも、隼人には金がない。財布は鞄にいれてたが、そこまでは持ってこれなかったようだ。まあ、あったところで日本円が通用するか微妙ではあるが。 「はえ~、日本にあったような建物は全くないな。こりゃ困った。研究者とかもろくにいないだろうし、どうしたことか……」 隼人は、街を一通り周回し終えた。やはり、前の日本のような建物も何処にもないし、研究者という職業が存在するかも怪しい。存在したとしても、魔法を研究してるだけだろう。 隼人は、路地でひたすらお腹を鳴らしていた。この世界に来てからまだ何も食べられてない。もうすっかり夕日も出ている時間だ。ちなみに、何故路地にいるかと言えば、大通りに出ると、店を見てもっと腹が減るからだ。 そんな隼人に、二つの影が近づいて来る。 一つは細い影で、もう一つは大きく太い影。 そう、その二つの影は不良であった。リーゼントを付けたりはしてないものの、明らかにガラが悪い。 見た目で人を判断してはいけないと言うが、隼人は明らかな不良だと察した。 「おいおいてめぇ、金があるなら出しな!」 「あー、やっぱそうだよね。典型的な異世界ものの序盤でやられる不良って感じ。見た目もあからさま過ぎるし、よくそんな服装で外出歩けるもんだよねぇ……」 不良の見た目は怖いが、どうせ雑魚だと知っているうえで隼人は煽っておいた。 勿論、不良は二人ともキレて突っ込んできた。なんて単純なんだろうか。 「おらぁぁー!!てめぇ、死ねやぁ!!」 (うわ、雑魚の台詞……) 隼人は、そこでナイフを取り出す。その服装では、街中であろうと危険だろうと門番が護身用として渡してくれたのだ。 何て良い人なんだろうか。 不良は、ナイフを取り出した瞬間後退りする。やはり、刃物にはビビるか。 不良もナイフくらいは持っているだろうが、異世界の不良は基本的に根が弱い。魔物狩りをしないのも死ぬのが怖いからだろう。 だから、自分がナイフを持っていたとしても、相手も刃物を持ってたら、傷付くのが怖くて逃げてしまうだろう。 隼人はそう考えていた。 「クソ、ナイフ持ってやがる!」 「に、逃げるぞ!」 不良達は、やはりビビって逃げていった。隼人の思惑通りである。 だが、隼人の気にかかるのは、街でも危ないという治安の悪さだ。そのうえで、人間に対するセキュリティが甘い。 「これは、何か裏があるぞ……」 隼人は、そんなことを考えながら、路地の見えないような影で眠りについた。
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