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まぁまぁおまる~って、言ういつものヨッシーと。
丸「鈴ちゃんがえらい機嫌損ねてますがな。なんぞあったんですか?」
と聞くんですけども。
松田さんがムロちゃんに、この場は代わるから、丸尾さんに説明を…と交代して、一時退室を要求したら。
先に口火を切ったんは吉田さんでした。
吉「うちの弟子が、大変ご迷惑をおかけしました、若さん」
と、真っ先に俺に頭を下げたんですね。
それがたいそう気に入らんかったんは、もちろんこの家の人らで。
「先にこっちに謝るんが筋でしょうが!!」
と吠えようものなら、ヨッシーは笑うんですよ。
場違いなぐらい。
そして言いました。
吉「筋、と仰いましたかね?これはこれは、おかしなことを仰るもんですねぇ。あなた方のどこに“筋”というもんが存在するんです?ねぇ、室井」
あっはっはっはーーーと笑うんですよ。
吉「私が筋を通すのは、まずはご当主です。このようなことにご当主を巻き込んだことに、まずは詫びなあきませんやろ」
で、また俺に深々と、申し訳ありませんでした、と頭を下げるんです。
そして。
吉「出遅れた非礼はあなた方にも詫びなあきませんね。申し遅れましたが私、ここの室井と松田の師をしとります、吉田と申します」
いつぞやの件で、ふたりの名ぐらいはご存じでしょう、と言い。
吉「室井、ここまでの彼らとの話は?どういったもので?」
と聞いたんで、ムロちゃんは今までのこと全て話をしたんです。
吉「そうですか、わかりました。そちらの言い分がない、言うだけ言うて帰れということなら、私の方から言わせてもらいましょうねぇ」
多分、もうとっくに雷様の権化と化してるであろうおまるも、黙って聞いてたので、この場はヨッシーに任せるってことやったんでしょう。
それぐらい、その時のヨッシーの気の強さったらないです。
だってさっきまで怒ってた鈴の子が、笑いながら俺に言うんです。
“あ~”
『こわ~い』
ってね。
さて皆さん。
以降存分に、吉田に惚れてください。
待て、次回。
(寿司食いに行ってきま~す!)
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