師弟。

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吉「中身を見ようともせず、見かけで人を蔑み、見下し、弟子の前では責任逃れ。あなたの師はあなたに何を教えておられたのか」 そういう吉田さんはもう笑ってはおらず。 吉「何もできない弟子に任せたことも、このような事態になったことも、何もかもあなたの責任ですよ」 と言えば。 「私は師匠に教わったことを弟子に教えてるんです!弟子の失敗が私の責任やなんて」 と言えば。 吉「どんな教えか知りませんが、あなたのそれは教えではなく、ただの伝達でしょう。結果何も身についておらんでしょうに」 それでも「そんなことはない!」って言い張ってたんで、それならば、とヨッシー言いました。 吉「そうまで仰るのなら、あなたも所詮その程度しか身についておらん、ということですよ。依頼が欲しければどうぞ、と仰いましたね。そちらのお弟子さんでは“対応できない”でしょうし、うちが請けますよ」 そう言われて余程頭にきたのか、言い返そうとしてましたが、そこはヨッシー。 吉「はじめあなたは、言うことはないと仰ってたでしょうに(笑)何か言いたい事が山ほどあるようにお見受けしますが、私の話は終わってませんよ」 と。 そして。 吉「私の師は、底の知れんお人でした。だからこそ弟子の私は憧れ、そしてそういう人間になりたいとさえ思いました」 師という立場になってなお、その想いは強く。 諸戸先生のようになりたい、そうでありたいと思うけど、と。 吉「所詮どこまで行っても私は私でしかないんです。そんな私にできることは、私なりに諸戸の教えを守り伝え、私のやり方で弟子に教えていくことです」 そんな諸戸が褒めていた人の弟子であろう人が、残念です、と。 吉「あなたは底の浅い師になったもんですな。あなたの弟子を不憫に思うと同時に、あなたはあなたの師に恥じねばなりません」 何か言いたそうにしてましたけども。 吉「私は自分の言葉を撤回する気はありません。謝罪もしませんし、そちらの謝罪ももちろん結構です」 だっておかしいでしょう?と。 吉「立ってる土台がそもそも違うんです。謝罪など必要ないのですよ」 ですが、とヨッシー。
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