もうひとつの家族

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 今一緒におにぎり食いながらなんですけど、 森「涼太ね、その頃のご飯は、一日におにぎり2個食べればいい方で、酷い時は、部屋の前に置きっぱなしになってて、手つかずのままで、それこそずっとピアノ弾いてたんですよ」 と、おにぎり眺めながらモーリー言いました。 森「ご飯を“美味しい”と思えるようになって、よかったですわ」 当時を思うと……と、なにやら真面目に話していました。 話しを戻しますと。 年頃の涼ちゃんは、親の言う“将来”について、しっくりくることがなく、むしろどんどん違う方向にいってて、このままでいいのかと思っていたそうです。 森「そんな状態やったからこそ、やっぱり亀裂は生まれるんですよね」 クラシックをと推していた母親と違い、涼ちゃんは本当はジャズが好きやったから、当時の涼ちゃんは、母親に伝えたそうです。 「ジャズもやってみたい」と。 したらばどうだ。 森「そんなことさせるために、ピアノをやらせてるんじゃない。お前はクラシックしかない!みたいなこと、言われたそうですよ。酷い話ですよね」 挙句、手は上げられ、発狂され、理不尽に怒られ。 その時の涼ちゃんは。 森「なんでピアノをやってるんか、やらされてるだけで、本当に自分はやりたいのか。色んな感情はあったと思いますが、涼太はうまく伝えられなくて、何もかもどうでもよくなったと言うてました」
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