もうひとつの家族

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と、まぁそういう経緯があり、引きこもりになり、相談が来たわけなんやが。 森「私が初回、涼太の家に行ったとき、もちろん絶賛引きこもりの涼太には会えず、ご両親と話をしたんです」 当の本人には会えないが、依頼内容を伺うと。 森「少し話を戻しますけど、そのゾッとした話というのが原因で、もしかして…とそこで初めて、“こういった方面の事情”なんじゃないかと疑ったようなんです」 それはなんぞや、ということなんですが。 森「涼太が引きこもった日から直近の話で、ご両親は話し合いをしていたそうなんです。今後の涼太について」 このままこの状態が続くなら、休学しようか、それとも退学するか。 好きにさせるか、させないか、いやそれはいかん。 今まであの子にかけた時間や金はなんやったのか。 やっぱりなんとかして病院に…。 なんでこんな方向にいったのか。 なんで私らの子やのに、こんなくだらないことをするのか。 こんな子を一生面倒みなあかんのか。 『与えられた価値を、あの子はどうして理解できないのか』 そういう話をしたんだそうです。 森「“与えられた価値”、それは親のエゴやと思いませんか」 でもその話を、なぜか涼ちゃんは“知っていた”と、ご両親は言うたそうです。
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