もうひとつの家族

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森「正直、どちらからも返事はいただけないと思ったので、意外やったんですよ」 でもまぁよくある話でもあるし、このまま本家に持ち帰ったそうです。 で、これは物件担当に持って行こうか、はたまたあるいは…と悩んだモーリー。 そこで相談を持ち掛けたのが、昔から世話になっていたという、おまるでした。 森「その時確か手が空いてたとかで、私が戻った時にいてはったんですよ」 だから相談してみたところ。 森「“自分“はどう思ったのか、と問われたんです」 で、考えたモーリー。 森「正直、私はそこまで家庭環境も悪くはなかったし、音楽やなんやとか、そんな専門的なこともわからないし、これといった共通点もない。私には遊ぶ友達もいましたし、自由に遊んでました」 だから、どう思う?と聞かれても、「わからない」と答えたそうです。 森「その返事に答えてはくれませんでしたが、誰に持って行くべきか聞いたとき、丸尾さん私に言うたんです」 “共通点”よりも、“共感”できる人間に話を持っていけ、と。 ひとりの辛さを知っている者。 理解者がいなくて困ってた者。 親に蔑ろにされていた者。 丸「ここにはそんな人間がよぅさんいます。少なからず、そういう経験をした者しかここにはおりません」 誰でも受けてくれるかも知れない、けれども、と。 森「“共感”することだけが、正しいか。そうではなくて、今、この状態の涼太に“何が”必要で、どうすべきか。今後、“涼太自身の未来”を、“涼太自身”が決めていくためには、どうすべきか」 そう問われたときに、モーリーは思ったそうですよ。 森「安易ですけどね、“友達”というのはどうでしょうと、丸尾さんに言うたんです。そしたら丸尾さん」 丸「ほな、適任はここにはおりまへんな。好きなようにしてみなはれ」 って言うたと言いました。 森「何分私は、最初から最後まで携わるのは初めてですから、助言がほしいと言うたら、それは構いませんって言われてねー(笑)」 “万が一”があれば自分も対応すると言うてくれたんで、その時は自分なりにやってみようと思ったそうですよ。 森「境遇を聞くと、なんだかんだ私も、放っておけない気持ちはありました。でも、公私混同厳禁、私情を挟むな、でしたから。その辺はどうなのかって聞いたんです」 したらだ。 丸「そんなもん、“初回相談”で止めとったらよろしいがな!あーたはそういう役割でしょうが!」 って言うんですよと、モーリーは笑って言いました。 ようはね、”アンタが報告しなかったら、それはアンタの案件であって、本家の案件にはならないよ”と言うんですよw 森「そうですよね、それって結局、私が相談受けただけですからね!(笑)」 てな話ですよw
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