もうひとつの家族

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森「私はまだその時、“涼太自身”と向き合っていませんでした」 自分がこれではいけないと、行動を起こした森岡氏。 森「“友達”になりたいのに、外野から攻めていくのはおかしいでしょ?(笑)」 なので、繕った建前とか、図っていた距離感とか、そういうものは一旦置いておくことにした森岡氏。 次に面会に行ったとき、今度は違う挨拶をしたそうです。 森「“こんばんは、涼太君。森岡です“と。まぁ何の返事もありませんでしたけど!(笑)」 と笑って言いましたが、そう話すモーリーはどこか楽しげでね。 森「今度は涼太に私の事を知ってもらおうと、扉越しにそれはもう、“森岡の一生”から、“森岡の歴戦”、ありったけの“森岡スペシャル”を、語り続けました!!(笑)」 ……………………。 俺やったら不気味に思うやろうな← とは本人には伏せましたけども。 “森岡スペシャル”をぶちかました森岡氏。 森「しばらくは本当に無視の連続で。でも私は“それでいい”と思っていたんです。それに私は無視されても、自分の長所の“気が長い”が発動していましたし、どんな状況でも“笑うこと”を忘れない。これが私のモットーですから!」 長期戦は得意ですから!と笑う、うちでの通り名、“仏のモーリー“さん。 当時を考えたら、それなりに大変であったとは思うんですけど、語る顔は決してそうではなくて。 森「懲りずに何度目かの面会で…そうですね~、初回からどれぐらい経ってたでしょう?半年は経ってたような??」 期間はもはや曖昧ですが、時間とか気にならなかったと言いました。 森「私は、涼太からのアクションをひたすら待ちました。それがベストと思っていたんで」 それまでは話続けようと思っていたそうです。 ふと、疑問に思ったことがひとつあって、それを本人に聞いてみました。 俺「その間、“誰かさん”はどうしてたん?」 と聞けば。 森「どうでしたかね?聞いていたのかどうなのか。私はその頃、“誰かさん”を意識することはしていませんでしたからね~」 という。 その辺は、涼太に聞いた方がいいでしょうね、と。
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