もうひとつの家族

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が、その“揺らぎ”こそが、本当に自分が望んだことやったとも言いました。 森「残酷なんかも知れません。家族のように接してくれていた人を、私は涼太から離そうとしていましたから。丸尾さんと話して以来、それが最終地点であることを、自分自身でもわかっていましたから、覚悟はしていました」 でも涼太は、そうじゃない、と。 森「だから私は涼太に言いました。これからも会いに来るし、ピアノも聴きたいこと」 そして、友達になりたいと切に願っていると。 森「“誰かさん”は私の行動を、不審がることもなく、ただ傍観していたように思います」 今思えばですけど、と。 森「私に出来ることは、“私の本心を伝えること”、そして、丸尾さんの言ったことを、そのまま伝える事。嘘偽りなく、両者に伝えました」 その上で、今まで誰かさんが担ってきたことを、今度は私にさせてくれないかとお願いしたそうです。 森「私にできることは、大したことではありません、涼太の辛いと思うことを、被ってやることもできません。でも一緒に“これからを見つけていく”ことはできます」 涼太が“自分自身”で選んだ生き方を、“見える形”で、私は応援したい。 ピアノは素晴らしいし、弾きたいものを弾き、才能を生かしてほしいこと。 森「私も涼太と同じで、“同じものが見えて、聞くことができる”。もう自分だけではないことを、涼太にも知ってほしかったんです」 人に見えない“何か”を共有できる、友達でありたいと。 涼太は黙っていたそうですが、今答えを求めてるわけではないことを伝え、その日は帰ったそうです。
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