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さて。
じゃあ典子さんがどんな話をしたか、なんですが。
典子さんは終始淡々としてて、表情も変わらなければ、雰囲気も何も変わらず。
典子さんは第一声、こう言いました。
『清々しました』
と。
みんなして「ん?どういうこと?」ってなったんです。
おまる以外は。
み「えっと…、どういう意味なのか聞かせてもらえますか?」
と聞けば。
『清々しました』
って、また言うんです。
みどりが聞き返そうとしたら、淡々と典子さんは言いました。
『“くだらない家族ごっこ”』
『“良き母”』
『“主人にとって都合の良い妻”』
『“しょうもない人生”』
『あぁ。やっと終わりました』
それを最期に“聞ける誰かに”聞いて欲しかった、と言うんです。
……………………………。
そりゃね。
記録の手も止まるってもんですよ。
そんな言葉やと思わんかっただけに、みどりも一瞬思考が固まったらしいんですが。
み「具体的に聞いてもいいのかしら?」
との問いかけに。
典「はい」
と、何の感情も読み取れない典子さん。
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