若みど誘拐事件簿。

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俺とリン君が中に戻れば、ちょうど話し合いの最中やったみたいです。 どうやらみどりに、選択を迫られてたみたいです。 み「私に対する対価は指定通りの金額でいいです。お支払いされるなら、あなたの希望する、“祝い事”に関する、お母様からの言葉をお話します」 だけどねって、みどりは続けました。 み「今回私は、無理やりここに連れてこられたのね。そこの木村に」 木村さんが「えっ!?」ってなってたけども、それも事実。 み「ようするに“誘拐”なの。あなたは木村を使って、間接的にアタシを“誘拐”したわけ」 そこに対価は発生しないし、真実を知りたければ“脅せ”というんです。 み「“脅す”っていうなら、アタシは洗いざらいお話させていただくわ」 ………………………。 なるほど、そうきたか。 正直言うて、これでこそ“みどり”。 隣のおまる見たら、もう好きにしろ状態。 みどりは話術もさることながら、人の興味を引くのもうまい。 勇「マジすか!?タダってことっすよね!?ラッキーなやつ!ほなはよ喋れや、オカマ!(笑)」 ………………………。 一瞬手が出そうなぐらい、イラッ☆としましたが。 なんてことはない、相手はみどりですよ皆さん。 ニコニコ笑いながら、みどりは言いました。 み「ご友人と彼女さんは、席を外されてはいかが?」 ご家族間の話ですしって言うたんですけども。 勇「もうすぐ家族になるし、こいつ(友人)も家族みたいなもんなんで!」 さ、どうぞ喋って喋ってと、パリピ言いました。 じゃあお伝えしますね、とみどり言うわけさ。 み「“そんなものありません”」 勇「は?」 み「だから、“そんなものありません”」 それがあなたの結婚に対する、お母様のお言葉よ、と言いました。
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