教科書にない話。

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時「梨奈ちゃんは“命”は大事なものと仰いましたね」 梨「うん、だから差別はあかんねん」 時「じゃあ私から梨奈ちゃんに質問です」 今、梨奈ちゃんの目の前に、二人の人物がいます。 その二人が病を患っていて、それを治す薬を梨奈ちゃんがひとつしか持っていません。 その薬を今すぐ飲まないと、死んでしまいます。 ひとりは、梨奈ちゃんのママ。 もうひとりは、道で行き倒れている見知らぬ人。 時「梨奈ちゃんはどちらを選びますか?」 という質問に、梨奈ちゃんは。 梨「絶対ママ。ママを助ける!」 と答えたんです。 時「それはどうして?」 と時子さんが聞けば。 梨「だってママが死んでしまうんやもん。ママ助けたい」 時「なら、もうひとりの見知らぬ方は、死んでもいいんですね?」 そう言われて、しばらく黙り込んだ梨奈ちゃん。 梨「死んでいいとか思ってないよ。でもママやし…」 凄い悩んで考えて答えを出せば。 うふふ…と笑って時子さんは言いました。 時「その答えに、間違いはないと私は思いますよ。そしてそれが“差別”なんですよ」 と。
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