教科書にない話。

12/15

23111人が本棚に入れています
本棚に追加
/172ページ
“命の差別化”は、悪いことではないと思います。 人間は神様でもなければ、聖人君子でもない。 万人を愛せなんて、とてもじゃないけど無理でしょう。 罪を憎んで人を憎まず、というけれど。 どれぐらいの人がそう思えるんやろう? 俺には到底無理ですよ。 そこまで人間出来てないし、その“罪”を生んだのは? それも“人”やと俺は思います。 “差別”って言葉が、いいようには聞こえないかもですが、いいことだけの意味での“命の差別化”ではないように思います。 “命”に対して、重みを感じ、そこに尊厳があり、尊いものであると思えるか。 たとえ家族でなくて、赤の他人であれ、酷いニュースなど目にして、耳で聞いて。 少なからず心を痛める人がいてると思うんです。 それはきっと“命”というものを、重んじているからやと時子さんは言いました。 それがもし“身内”ならと思うと。 ゾッとしますよね? それはやっぱり、どの“命”よりも、大事に想うからです。
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23111人が本棚に入れています
本棚に追加