教科書にない話。

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災害ボランティアさん達は、名も知らない“命”のために、少しでも力になれればと動き。 動けない人は、少しでも復興のたしになればと、募金したり、支援物資を送ったり。 それは誰かに言われたからかもしれませんが、それでも自分で決めて行動して。 それもこれも“命”のために。 そこで苦しむ“命”のための行動です。 こんな素晴らしいことはないんです、と時子さんは当時の俺にも、そして梨奈ちゃんにも話してくれました。 災害救助にあたった自衛隊の皆さんに、“命の差別”はなかったこと。 そこに救助を求める、等しく尊い“命”の救助に尽力したことも、忘れてはいけないと言いました。 自分の家族を助けたかったやろう時も、ひとつでも多くの“命”を救おうとし、そして救われた命は、それに感謝し、敬意を払えど、責める人などおらんかたっでしょう。 それは人も動物も関係なく、ひとつでも多くの“命”を救ってくださった方達に、頭が上がろうはずもないということを、時子さんは語ってくれました。 当時、時子さんのところに面談に来た自衛官の人がおり、救えなかった命があることに、酷く心を痛めていたそうです。 自衛官は神様ではなく人間であり、出来る事に限界はあるということも感じていたということも。 救えなかった命に対し、お悔やみの言葉を述べるしかないと言うていましたが、多くを救おうとし、尽力したあなた方を誇りに思うと時子さんが言えば、涙されていたと聞きました。 時「人を救い、いまだ救えなかった命にお悔やみのお心を持てる方々を、誇りに思わずにおれません」 素晴らしいお仕事で、それに従事する方々は素晴らしい方々やと言いました。
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