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第2章 Life on Mars ?
午前3時。
星空が夜明けの色に溶け込み、世界が金色に煌めき出す。
昨日までの自分を捨て、新しい自分に出逢える予感。
暁に染まる、この瞬間が僕は大好きだ。
夜に終わりを迎え、朝に意味を持ち始める。
そんな人生を僕は送っているからだろうか?
生まれたての風の中、僕は卸したてのスニーカーで走り始めた。
新聞配達員のバイクよりも早い時間帯。
向かいの柴犬・ポタとポコの兄妹犬は、表札が掛けられたハウスの中で眠っている。
イヤホンからはランダムに洋楽が流れて来る。
アスリートだったら、目的のペースに合わせて、ランニング用に楽曲をセレクトするだろう。
だが生憎、僕はアスリートではない。
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