2回目

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「確かについこの間来ましたけど、今回は借りた物だから絶対見つけたいんです!」 「借り暮らしなわけね、はいはい可愛いですね!で傘の色は?」 何か急に怒ってません?借り暮らし? 「色は赤です」 「どのくらい赤いですか?」 「どのくらいって、普通の赤色ですよ」 駅員はさらに不機嫌そうになった。 「だから!色々あるでしょ?色にも色々あるでしょ?血みたいな赤とか、刺身だとトロとか赤身とか、ミディアムとかレアとか!」 もう面倒くさいので適当に答えた。 「じゃあ血みたいな赤です!」 「…お客さんそりゃ無理だわ」 え?何が? 「私血を見ると気分悪くなっちゃうのね。こう見えて結構繊細でね…本当残念です。諦めましょう」 毎度毎度なんなんだよこの駅員は! 本当に捜す気あんのかよ! しかし見つからないと困るので、なんとかして捜してほしいので、何かないかと辺りを見渡すと壁に掛かったカレンダーが目に入った。 「そう、ちょうどそのカレンダーの休日の赤色に近いです!日曜日の赤!」 「…お客さんそりゃ無理だわ。日曜はゴルフだから…無理だわ」 もうこいつ絶対捜す気無いわー!
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