5人が本棚に入れています
本棚に追加
1回目
最近買ったちょっと高い傘を、電車の中に置き忘れてしまった。
私はすぐに駅の係員に捜索してもらおうと、駅の事務室をたずねた。
「すいません、今の電車に傘を置き忘れてしまいまして、探してほしいのですが」
奥から駅員らしき男が出てきた。
年は40代位だろうか、メガネを掛けて頭のてっぺんが薄めの人だった。
「はいはいえ~とそれでまず、その傘は捜す価値のあるものですか?」
は?価値があるから来てんだろうが!何か失礼な駅員だな…
「はい出来れば捜して頂けると…」
「え?出来なければ捜さなくていいんですね?」
何だこいつ!?
「というか、捜してください!」
「はいはい最初からそう言ってくださいね、それでその傘は何に使うんですか?」
「いや傘は差すためでしょう?雨降っているので」
何を当たり前のことを!
「え?雨降っていなかったら使わないんですか?いや他にもあるでしょう?駅のホームでゴルフスイングとかするでしょう?ホームでフォームチェック、なんちゃって」
つまんねーよ、つーか使う用途必要か?
もっと聞くことあるだろ?
「まぁいっか、でその傘の特徴ですが…骨は何本位ですかね?」
そぉそぉそういうのだよ。でも普通色とかが先だろ?
「え~と確か16本だったはずです」
「え~とそれで骨折の経験は?」
「え?私ですか?ないですけど」
「いやいやあなたじゃないですよ、傘のです傘の」
傘の骨は骨折とは言わねぇだろ!
何なんだこの駅員、早くしないとどんどん電車先に行っちゃうだろうが!
「ないですよ、骨折ないです」
「そりゃないよね、第一傘は骨折とか言わないですよ、お客さん大丈夫ですか?」
おまえが言ったんだろうがーーー!
はよ捜せやーーーー!
最初のコメントを投稿しよう!