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穏やかな日常に見えるが、最初からこうだった訳ではない。
0歳の頃からここで育った俺とは違ってみんなは途中から、家庭の事情や縁あってこのホームに来たのだ。
それぞれ色んな過去や事情を抱えてやってくるので、ここに来るときには心を閉ざしていたり傷を抱えた奴らばかりだ。
ふと食事をしている詩音に目をやると、穏やかに笑いながら隣の広斗の話に耳を傾けている。
詩音は騒がしい組の竜星、クリス、花音には混じらずに落ち着いた広斗や心優の側にいることが多い。
食事の席もいつだって2人の間だ。
俺はそんなおしとやかな詩音が好きだ。
もちろんホームの家族みんなが大好きだが、詩音に対しては違う。
家族以上の特別な感情を抱いている。
あれはいつからだっただろうか……
詩音もここに来た時は心を閉ざしていた1人だった。
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