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そう言うとかんは早々と出て行ってしまった。
昨日まで誰か来るなんて言ってなかったじゃないか。無責任な……
確か小学生の時に広斗や竜星を連れて帰ってきた時もこんな感じだった気がする……
これは後々聞いた話だが、かんの知り合いの子供が詩音と花音で、親代わりに預かる事を申し出たらしかった。
「えーっと、この二階がそれぞれの部屋やねんけど空き部屋がいくつかあるから好きなとこ選んでええよ」
ホームの案内を俺と広斗に押し付けてリビングでゲームをしだしたクリスと竜星は放っておき
二階へ新入りの2人を案内する。
「あ! 詩音ちゃんと同じ部屋がええから部屋は一個でいいですよ! な? 詩音ちゃん?」
愛想のいい妹がニコニコと姉に同意を求めると、静かに首だけ動かして答える詩音。
人見知りなんだろうか?
あまり目も合わせないし喋りもしない。
広斗の方を見ると広斗もその様子が気になるようで、不思議だとでもいうような表情で俺と目があった。
なんて対照的な姉妹なんだ。
妹は髪を小学生らしく二つ結びにし目がクリクリでニコニコとし、可愛らしいという表現が似合う感じだ。
一方姉の詩音は、長い髪を束ねる事なく下ろして俯きがちだが、少し覗く顔は猫目でクールな印象だ。
可愛いというより、美しい。
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