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「みんなおはようー! あ! 詩音ちゃん新しい制服可愛いな! 似合っとるよ!」
花音も起きてきて、ニコニコと大好きな姉の元へ駆け寄る。
あのホームへやってきた日以来、花音は泣いていない。
次の日からそのクリクリした目をキラキラと笑顔で輝かせ、日々過ごしている。
花音は詩音よりも早くこちらの小学校へと転入し通い出したが、持ち前の明るさと愛嬌でもう友達も出来た様子だった。
花音の話はかんや竜星とクリスにも、伝えた。
かんは当然知っていたようで「そういうことやからアンタらがしっかり見たりよ」とだけ言った。
竜星やクリスあたりはいらぬ事を言うのでは……と心配したのだが、家族なんだから伝えるべきという広斗のアドバイスの元だ。
今や周知の事実となった訳だが、なぜ双子の花蓮は亡くなったのか、両親と暮らせなかったのか……それ以上の事はまだ花音からも聞いていない。
長男らしく、どんと構えて花音が話してくれるのを待とう……という俺の決断だ。
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