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「詩音、そろそろ行こか」
朝食を食べ終えて、準備を済ませた広斗が詩音に声をかける。
「待て待て。俺も学校までは一緒に行くっちゅーねん」
それを聞いた俺は急いでカバンをひっつかみ一緒にいこうとすると、後ろから入念にヘアセットしていた竜星とトーストのおかわりをしてテレビを見ていたクリスが「「俺もー!」」とハモって叫ぶ。
「……竜星は彼女が待っとるやろ」
じっと竜星の顔を見た広斗が珍しく無表情で、冷たく言い放ち踵を返した。
気のせいだろうか?
一瞬なにかに怒っているような表情に見えたが……
いつも穏やかで優しい広斗の表情に違和感を覚えた。
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