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「健ちゃん! 詩音帰ってきてへん?」
ある日、広斗が珍しく慌てた様子にこわばった顔をひっさげて帰ってきた。
自宅に帰ってきてから宿題もせずにクリスと花音とテレビゲームをしていた俺はてっきり、また広斗にお小言を言われるのかと思いきや、出てきた一言は違った。
「へ? まだ帰ってきてへんけど……今日一緒に買い物行く言うてたんちゃうん?」
拍子抜けした俺の顔はさぞ間抜けだっただろう。
詩音が学校へ通いだして数ヶ月。
学校で人気のある広斗や竜星がまるで姫を守るナイトのように詩音の側に付いている事から、
詩音も話しかけてくれる友達が出来たようで
学校で俺の出る幕は無かった。
そして、今日は学校終わりにその友達を交えて広斗や竜星と買い物やお茶に出掛けると聞いていた。
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