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「そうなんやけど……俺が放課後先生に呼ばれて職員室に行って、教室戻ったらおらへんねん。
カバンも無いし先に行ったんかなおもて一緒に行く友達に連絡したんやけど、知らへん。待ち合わせ場所にもおらんよって……」
広斗の言葉に花音の顔色が変わる。
「詩音ちゃん……約束してるのに破ったりなんかせえへんで……なんかあったんちゃうん?」
心配そうに俺の手をキュッと掴み大きな目で俺を見上げてくる。
あぁ、兄貴分として安心させてやらないと。
「よし…ほな広斗は俺と一緒にとりあえず学校戻って周辺探そう。クリスはかんが帰ってくるまでホームで花音と待っといて」
「分かった。もし詩音がホームに帰ってきたら連絡するわ。クソ……詩音にもはよ携帯持たせたらなあかんかったな」
「そうやなあ」
俺たちはまだ中学生だが、連絡を取り合う目的でかんから携帯を持たされていた。
しかし、まだ花音や詩音は持っていなかったので、このスマホ至上主義時代に連絡を取り合う事も出来ない。
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