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「今日からこのホームでアンタ達と一緒にくらす詩音ちゃんと花音ちゃん。2人は姉妹やねん。アンタたち、ホームの中を案内したってか」
そう俺たちに告げたかんの横に立っていたのは俺と同い年くらいだろうか……
セーラー服を着て下を俯いている女の子と、小学校の体操服を着ているあたりからそれよりもう少し歳下である事が想像できる、笑顔の女の子が立っていた。
「花音です! こっちは私のお姉ちゃんで詩音ちゃんといいます! 今日からお世話になります!」
明るくハキハキとした妹が挨拶する横で、お姉ちゃんと紹介されたセーラー服の女の子はこちらにチラリと視線を向けてまたすぐ下を向いてしまった。
「あ、健太です。よろしく」
2人に向かって俺は頭を下げる。
「よろしく! 俺は竜星。こっちが広斗。ほんでこの外人はクリスってゆうんやけど日本語バリバリやから心配せんでええで」
「お前! この外人て……もっと他の紹介の仕方があるやろ! こちらのイケメンナイスガイは……とかやなぁ」
「ははっ、2人ともよろしく」
横でワイワイと竜星とクリスが漫才のようなやりとりを繰り広げるのを爽やかにスルーして広斗も挨拶した。
俺はというとなんだかその詩音という女の子から目が離せない。
無表情ではあるが……何故だろう。何か惹きつけられるものがある。
「詩音ちゃんは竜星と広斗と同い年で同じ学校になるからな。ほな、ちょっと買い出し行ってくるから頼んだでー」
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