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全員が黙り込んでたら、後ろから「御尤も」と声が上がった。
見れば、ペックが立ってた。
「じゃ、永久に飼うんじゃなく、幼鳥なので暫く保護というのでは?それに魔境に詳しい方がちょうど帰って来た所ですし、何処かでパーデラスバードを目撃していないか、初出勤の明日にでも聞いてみましょうよ」
良い事を言ったペック。
実際、さっきまではサダトさんの主張に賛同してた私だが、ハゲの言う事が正しいかもしれないと思い出してた所だった。
「で、その間の飼育係は、サダトさんとグレアム副団長って事で」
「えっ、何で俺なんだ?言い出しっぺは、こいつ等だろ!」
私達もそう思った。
飼うと言った責任があるからな。
「そこは、さっきの話の流れかと。サダトさんは、この鳥さんの安全面を考え、此処で飼いたいと言う。副団長は、この鳥さんには制約を付けた安全の確保ではなく、本来あるべき所に帰すべきだという。で、俺はその間を取って暫く保護って言った訳ですが・・・じゃ、その飼育をサダトさん達に任せたら、きっと偏った育て方をすると思うんっす。そうなると自然に帰そうとしても、鳥さんは帰せなくなる。よって、1人自然に帰すべきと主張する副団長が加わった方が得策。副団長もこの鳥さんを思ってそう主張してる訳なので、虐待や飼育放棄などはなく安心して任せられますしね。因みに、俺はどちらの意見も正解だと思うっす。鳥さんには保護という時間。俺達には、この鳥さんをどうしたらいいのかを考える時間という事で決着にしませんか?」
パーデラスバードのおかげで、気持ちの変化が出た私。
今現在、タニアと同意見になってたからだ。
要は友達以上の存在に意識し始めたという事だ、、、。
パーデラスバードの幼鳥が7号達と遊んでいる横で、ハゲとペックが「無理だ!」とか、「そこを何とかやって下さい」などと揉めてるのを見ながらまた難儀な2人をと・・・頭を抱えた私だった。
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