【国宝級と言われた女は、異世界でも国宝級だった、、、】

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いつもそうだった。 順風満帆にお付き合いをしていて、いつもこのパターンで突然の別れを切り出された。 思い出深いので行くとこいつだ、、、。 「///くぅ~!名器だ!間違いなくお前、国宝級の名器だっ!!」 これは、処女をあげた人に言われたムードもへったくれもない言葉である。 だが別れる時、その言葉もこう変換された。 「俺には、国宝級は荷が重すぎた。俺は、100均でいい」 最後の最後まで空気(ムード)がなかった人だったのを今でも覚えている。 『ハァ~、、、』 今度の溜息は、それを思い出しての脱力系だ。 やりかけていた遺品整理をまたのろのろと始める。 ふと、箪笥の中を整理していたら、"華へ"と書かれた封筒があった。 『ん?何だろ・・・』 中を開けて見たら手紙と小さい巾着袋。 巾着袋の中を開けると、青白い石の嵌ったシルバーの指輪が入ってた。 男性がつける指輪のようで、指サイズもだいぶ大きい。 『じいちゃんの形見かな。綺麗~』 そんな事を呟きながら指輪を掲げてたら、内側に何かが刻まれてる事に気が付く。英語だと思ってたら違った。 『何処の文字だろ。後でググってみるか・・・』 そう言って指輪輪をつける。 握るようにしていないと指輪はすぽっと落ちた。 遺品整理に邪魔なため外そうとした所で、何処からか波音のようなものが聞こえ出した。 つけた覚えはなかったが、慌てて後ろのテレビを見る。 電源のついてない画面は黒いまま。耳を澄ますも、確かに耳はその波音のようなものを拾っていた。 『疲れたら耳鳴りがするって誰かが言ってたな、、、。やっぱ、疲れてんだな』 そう思った瞬間、はっきりとそれが波音だと認識する事となった。
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