【国宝級と言われた女は、異世界でも国宝級だった、、、】

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*** 私は、絶賛不審者という事で取り調べ中である。 「お前、名前と年は?」 『小沢華(おざわはな)、23歳』 「23歳?見えねぇな、、、。12歳ぐらいに見えるぞ、、」 そう言って顔ではなく、胸を見たハゲ。 失礼なつるっぱげである。 「民族と出身国は?」 『民族は、えっとアジアになんのかな・・・出身は日本』 「アジア?二ホン?何だそれ。おいジャン、地図を持って来い」 「あっ、はい!」 ジャンと言う若い男が、世界地図みたいなものを持って来て、それを2人して見始めた。私もその2人の間に入って探す。 「ねぇなぁ~」 「副団長、無いですね~」 『・・・。』 地図を見て吃驚した。 何故なら私が知る世界地図ではなかったからだ。 現状把握をする為、私の方が聞く羽目となった。 『えっと・・・私が今いる国は何処でしょう?』 「この島だ。名はタナトス王国。そしてお前が居る所は王都ロンバル」 『信じてもらえるか分かりませんが・・・・・此処私の住んでた世界じゃないんですけど、、、』 「「あ゛ぁ?」」と2人同時に言ったかと思ったら、行動が早かった。 「ロン、生きた界渡りかもしれない!すぐに王城に連絡だ!団長にも報告しろ!もしこれが本当だったらえらい事だぞ!」 ハゲが傍にいた騎士にそう叫んだ。 片やジャンと呼ばれた若い方は「俺、生きた奴初めて見ました!」と興奮気味だ。 何か私は珍獣っぽい扱いになって来てた。 思わず私が後ろに逃げようとしたら、ハゲに手首を掴まれる。 「安心しろ。お前は国に保護される。扱いはそうだな・・・・」 ――――――博物館にある国宝級並みだ。 異世界でも私は国宝級だった。
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