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「12月の中頃に友達とハリウッドホテルの最上階にあるレストランで、たまたま律樹とさっきの女の人が食事をしてるのに出くわして、律樹がさっきの女の人に告白して振られるのを見てた。
その時に律樹が婚約者がいるけど破談にするって言ってたのを聞いて、わたし、邪魔になるから行方をくらませる事にした」
律樹はわたしに見られたくない事を見られてたと知り、顔をしかめた。
「麗華に見られてたんだ……。麗華、俺が悪かった。麗華っていう婚約者がいるのに……でき心だったんだ。
俺、麗華が中学1年生のまだ子供の時に顔合わせしただろ。だから、どうしても麗華の事を妹のようにしか思えなくて、結婚相手としてみることができなかった。
でも、麗華が行方不明になって、麗華が俺にとって大事な人だと気づいた。
麗華、俺を許してくれ。一生をかけて麗華の事を幸せにするから、俺と結婚してくれ」
律樹がわたしの目をじっと切なそうに見つめてきた。
「結婚はします。そうしないと、父が大島建設に対して大損害を与えるから……」
わたしは、また涙を流してた。
「麗華、俺は麗華の事を愛してる。麗華が俺の事を受け入れられるよう、麗華を大事にする」
律樹に抱きしめられ、わたしは泣き続けた。
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