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タクシーに乗り込み、実家へ向かう。
父に、なんで話そう……。
律樹には落ち度はないと、わたしが悪いと説明しないといけない。
考えても言葉が出てこない。
律樹がわたし以外の本当に好きになった人と結婚できるように、身を引こうと思って、わたしは行方をくらませた。
わたしは律樹の事が好きで愛してるから、律樹に幸せな結婚をして欲しかった。
そして、愛する人の奥さんになったとしてもわたしの事を愛して貰えないなら、虚しいだけだから、それなら夫婦になりたくないと思った。
政略結婚だから、好きとか愛を求めたらいけない……。
わたしが律樹と結婚さえすれば、全て、元に戻る……。
でも、律樹はわたしが仕出かした事を許してくれないと思う。
父と話す前に律樹と話そうと思い、行き先を大島建設の本社に変更した。
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