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「律樹、行方をくらませてごめんなさい。まさか、こんな事になるなんて思わなかった。わたし、軽率だった」
大島建設のフロアの入り口で、わたしは涙を流して、泣き崩れてしまった。
「麗華、ちょっとこっちに来て」
律樹に手を引かれ、大島建設のオフィスを出て、律樹が1人暮らしをしてるらしい高層マンションの最上階の部屋に連れて行かれた。
話す内容が内容だから、誰にも聞かれない所を選んだのだと思う……。
律樹はたぶん、律樹のお父様の社長に電話をかけて話してるんだと思う。
「麗華、何から話そうか。なんで、行方をくらませたか理由を説明してくれる?」
電話を終え、律樹はソファに座ってるわたしの前に来た。
怒っても仕方がない事を仕出かしたのに、冷静にわたしの話を聞こうとしてくれてる。
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