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「麗華、律樹くんとは上手くいってるか?」
珍しく夕食時に帰ってきた父に、律樹と交際について聞かれた。
「律樹さん、御多忙であまりお会いはできてませんが、まめに連絡は下さってます」
父に嘘をつくわたし……。
律樹とGWに1泊2日で新築リゾートホテルの下見を兼ねて旅行に行ったきり、ここ2ヶ月半会ってない。
月の終わりに、5分ほど電話で話した。
会えない理由をただ、聞かされた……。
律樹にとって、わたしは、親が決めた婚約者で、律樹はわたしの事を愛してない。
「麗華、そろそろ律樹くんと結婚に向けて動くつもりだがいいか?おまえも24歳になった。ミス東京も3月いっぱいに人気が終わった。1番美しい時に嫁に出したい」
父にとって娘は、自分の勢力を広げる道具でしかない……。
2歳年上の姉も3年前に、政治家の家系の息子の所に嫁に行った。
姉は、無理矢理恋人と別れさせられ、精神を病んだ中、強制的に結婚させられた。
今は、どうしてるか、わたしは、知らない……。
「……はい」
父に一族一同逆らえない。
ただ、律樹さんと疎遠になってる中で、律樹さんと結婚する事に不安を感じた。
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