結婚するまでの生活

3/3
前へ
/17ページ
次へ
「麗華、律樹くんとは上手くいってるか?」 珍しく夕食時に帰ってきた父に、律樹と交際について聞かれた。 「律樹さん、御多忙であまりお会いはできてませんが、まめに連絡は下さってます」 父に嘘をつくわたし……。 律樹とGWに1泊2日で新築リゾートホテルの下見を兼ねて旅行に行ったきり、ここ2ヶ月半会ってない。 月の終わりに、5分ほど電話で話した。 会えない理由をただ、聞かされた……。 律樹にとって、わたしは、親が決めた婚約者で、律樹はわたしの事を愛してない。 「麗華、そろそろ律樹くんと結婚に向けて動くつもりだがいいか?おまえも24歳になった。ミス東京も3月いっぱいに人気が終わった。1番美しい時に嫁に出したい」 父にとって娘は、自分の勢力を広げる道具でしかない……。 2歳年上の姉も3年前に、政治家の家系の息子の所に嫁に行った。 姉は、無理矢理恋人と別れさせられ、精神を病んだ中、強制的に結婚させられた。 今は、どうしてるか、わたしは、知らない……。 「……はい」 父に一族一同逆らえない。 ただ、律樹さんと疎遠になってる中で、律樹さんと結婚する事に不安を感じた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

302人が本棚に入れています
本棚に追加