ワガミ村妖怪騒動

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 作法とは、と問う村人に、 「難しいことを言ったところで、そのほうらの頭では理解できまい。  簡単なところから申そう。  金がいる」 「金、でございますか」 「うむ。  はるか京から来ていただく際の路銀として、とりあえず、百両」  ひゃ。  ひゃ。  ひゃ。  あちらこちらで、出来損ないのしゃっくりみたいな声が漏れた。  村人たちは、二の句が継げなかった。  名主が代表して、やっとのことで、言った。 「そのような、大金は、とても」 「案ずるな。  手はずは整えてある」  手はず、というのは、早い話が、娘を売れ、ということだった。  手回しのいい侍たちは、すでに近くの宿場町に連絡済みだった。  翌日には、遊郭の店主が、村にやって来た。
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