ちょっぴり困った?転生2

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布(ドレス)の中で僕は、どんどんどんどん小さくなっていった。 このまま消えてしまうかも知れないと思ったら、泣きたくなってしまった。 豆粒よりも小さくなった後。少しづつ大きくなっていったが、不安感は拭えない。 背中に何か?ぬるっとした温かくて柔らかいものが触れた? ぎゅっとしがみついたら、ツルンと滑り落ちた。 幸いにも僕の下には白いドレスだった…あの布が敷かれていて、柔らかでぬるぬるなモノは、僕の隣でキューン!と鳴いた。 「煩いなあ!此処が何処なのか、確かめられないだろう?」 そう言ったつもりなのに…フナァ~!フナァ~!と言う泣き声が…確かに、泣きたい程不安ではあるが、こんな赤ちゃんのような…? …視界が変だ!自分自身を確認するためにとった行動が…チュッチュッ…親指を咥えて啜ってみるって言う…。 『アラアラ…』と言う優しく太い声に安心して、側にある少しぬるつく温もりにピトッとくっついた。 大きな犬?の顔が迫ってきて、ひと呑みされてしまいそうな口からピンク色の舌が伸びた。 ベロリとひとなめされると、くっついていた温もりが少し離れる。 不安が増して大声で泣くと、温もりからも泣き声が聞こえる。 ピチャピチャ、ガジガジと、嫌な音が聞こえるが、食べられている(ホラーな)訳ではなさそうだ。 犬?の視線が僕に移る。 視界が極端に狭いので、側に寄らないと見えないのだが…側に寄られれば寄られたで、その巨大さに軽く恐怖心がめばえる。 暫くして、ぬるぬるだった温もりは小さな赤ちゃんだったと知った。 そして啜った指の小ささを見て、自分も赤ちゃんだと…知った。 巨大な顔はふたつ。 ひとつは巨大でも優しい顔の黒毛の犬?もうひとつは、黒毛よりもひとまわり小さい怖い顔の年老いた白い犬?
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