366人が本棚に入れています
本棚に追加
「藤堂くんでしょ。ちょっと、変わろっか」
愛里ちゃんがわたしからiPhoneを受け取った。
「藤堂くん、わたし咲瀬だけど、真凛ちゃんとわたし、今イタリアンのお店でパスタ食べてる。真凛ちゃん、浮気なんかする子じゃないから、仕事に戻り!!」
そういうと通話を切り、わたしと2ショット画像を撮り、その画像をLINEメッセージ大河に送った。
「真凛ちゃんも彼から溺愛されて大変だね……」
愛里ちゃんも5歳年上の恋人がいるらしく、大河みたいな束縛魔ではなさそうだけど、なにかと一緒に居たがる人だと前に言ってた。
「藤堂くん、毎週末に車飛ばして東京に戻ってきてるんでしょう?なのに平日も真凛ちゃんの事ばかり考えて、仕事ちゃんとしてるのかな……」
大河も建築士で、3月までは愛里ちゃんと同じ部署で仕事をしてた。
愛里ちゃんの方が断然仕事ができるけど、それでも同期の中では仕事ができる方で、それで名古屋支社に戦力として異動する事になった。
「9時過ぎだし、明日も仕事あるし、そろそろ帰ろっか」
大河からのLINE通話攻撃が止まり、愛里ちゃんが腕時計で時間を見てお開きにする事を決めた。
愛里ちゃんともっと女子トークしたかった。
最初のコメントを投稿しよう!