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クライアント先からの建築設計依頼は翔琉くんを指名してが多く、翔琉くんはかなりの案件を持ち、多忙極まりない。
わたしが建築士見習いの時は、わたしが1/3ほど代わりに設計してた。
翔琉くんと大学が同じでゼミの先生が同じだったのもあり、わたしは翔琉くんに近い設計をする。
だからと、本当はいけないけど、しれっと手伝ってた。
現在翔琉くんについてる設計見習いは東京大学の博士課程卒の男性で、仕事に対しての飲み込みは早いけれど、設計デザインの系統が翔琉くんと違うことからアシスタント的な事しか任せられないみたい。
『愛里とまた一緒に仕事がしたい』
勤務先のオフィスビルに歩いていける所にある翔琉くんのマンションで、翔琉くんと半同棲してるわたし。
翔琉くんが遅い時間に帰ってきて、玄関にお出迎えに行くと毎日のようにわたしを抱きしめて翔琉くんは呟く。
翔琉くんにとってわたしが癒しで仕事の良きパートナーだったとかで、翔琉くんの建築見習いから外れた今、仕事の合間に翔琉くんに呼ばれたら少しだけ2人の時間を持とうと思い、資料室で逢引するようになった。
誰かに目撃された際は、わたしが設計デザインについて翔琉くんに相談するために呼び出したと誤魔化すつもり。
翔琉くんが抱きしめる以上の事をしでかさないよう、口が酸っぱくなるぐらい、彼に言い聞かせてる。
会社は仕事をする所だけど、翔琉くんは時々、わたしを抱きしめる以上の事をしようとするから困ってる。
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