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不意に、もの凄い雨が降りつけてきた。
最近多いゲリラ豪雨だ。
近くのコンビニに立ち寄り、一時的に雨を凌ぐ。
煙草だけ買い、
いかにも自分が使っていたかのように、
人の傘を拝借して街の中に消える。
雨もひと段落してから、
妙に人々の視線が自分に向けられていることに気付く。
そこで初めて自分の手元を見る。
赤黒く、滑りのある滴。
妙に金属質な香りが自分の頭上からする。
すでに嫌な予感しかしない。
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