西川天羽の溺愛

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   最愛のパートナー、葵との出会いは僕が21才の時。  葵は天音のモントリオール時代の学友で、東京で再度大学院を出た後エッジレコード本社に勤務している秘書だった。  当時、天音の後ろにはいつも葵が居た。天音の学友なんて物凄く優秀な男なんだろうとは思ったし、年上でも、線の細い静かな佇まいも綺麗な顔立ちも僕好み。それに。 「ねえ、あなたゲイでしょ~」 「!」  不思議な事にお仲間は大体わかる。特に日本人はジェンダー観が古臭いのか隠したがる傾向があるけど、十中八九当てられる。  ポーカーフェイスを装ってるけど動揺してるよね。可っ愛い~~☆ 「もしかして自覚してない?僕、フリーだからお試しでど~お?優しくするよ~?」 「社長の弟さんとどうこうなる度胸は私にはありませんし、恋人もおりますのでお気遣い無用です」 「恋人って女性?自分にウソついてると不幸にしちゃうよ~?」 「……………」  だんまりか。興味はあるけどまぁいっか。無理強いするのも隠したいものを暴くのも趣味じゃないし。  ただ、チャンスさえあれば、この人とはイケると直感した。機が熟して僕の所へ自然に落ちて来るまで気長に待っていてあげる。
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