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入って、あっと驚いた。古そうな木でつくられたテーブルと、頼りなげなイス。その上には不思議と見覚えのあるものがたくさんあった。子どものころに使っていたもの、好きだったもの、大切にしていたもの……それがところどころに積み重なっていたのだった。
まずたくさんの本がテーブルに山積みされている。タイトルを見ると昔よく読んだものばかりだった。一つ一つ見るだけで、あのころの記憶が蘇ってくる。
そしてそのそばで番をしているうさぎのぬいぐるみ。赤いスカートに白のリボンを襟につけているこの子も昔兄弟でよく遊んだものだった。
それをみて、思わず笑みがこぼれた。あれ、こうやって笑ったの、いつぶりだっけ。子どものころに帰ったように、胸がうきうきして高鳴り、目がキラキラと踊る。空っぽだった心に温かいものが流れ込んでくる感じ。
ここは子どもの部屋。それも、昔の自分の。そうだった、この家があるこの場所は、昔考えていた物語の世界によくよく似ている。
いつまでもここにいたいな。童心に帰って。
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